ラブキッズ!!

 

恋してダディ」という作品に出てくる子供達の成長したお話です。
単体でも読めますし、併せて読んでも面白いです。
高校生の凛太郎と紀世は幼稚園の頃からの幼なじみ。
紀世は小さい頃から凛太郎を好きでいたけれど、当の本人は父親の恋人である夏輝に想いを寄せていました。
家族を大事にしている凛太郎の、自分の想いのせいで家族を壊したくないと思う気持ちがとても伝わってくるだけに、
凛太郎の抱える悩みにはとてももどかしく感じます。
そして本当は凛太郎が好きだけれど想いを隠して凛太郎の恋路を後押ししてしまう紀世にも切なさを感じました。
どちらの片思いも叶わないと思っている心理描写がとてもよく現れていて、一気に読み進めてしまうほど引き込まれます。
ようやく想いを伝えた紀世に対して凛太郎が幼なじみとしか思っていないと答える場面では、
今までの十数年間にも渡る紀世の想いを考えるとやるせなくてたまりませんでした。
読んでいて最も驚いたのは、二人の関係がもっと違うものに変わって行くかもしれないと心の変化を凛太郎が感じた途端、紀世が留学してしまったことです。
突然何も言わず姿を消した紀世に戸惑って、彼の真意を確かめに行くあたりは凛太郎も行動派な男の子なんだなと思いました。
紀世が姿を消す前の「大事な幼なじみ?それで十分だ」というページは紀世の満面の笑みになっていて、とても心が揺れます。
その笑顔の中にたくさんの悲しみと言葉を隠して、それで大好きな凛太郎の前から姿を消したかと思うと、
あれは彼の精一杯の努力の笑顔だったんじゃないかなと心打たれました。
彼と離れて彼を考え、そして自分のことを理解し助けてくれたのは彼だったときちんと想いをハッキリさせた凛太郎が紀世にキスをするシーンでは、

本当にホッとしました。
こんなにも純愛で一途でもどかしいお話もそうないと思います。